テレアポは外注すべき?それとも自社で行うべき?
テレアポを自社で行うデメリットから知ろう
人口減少の一途をたどる日本において、労働力の確保は深刻な問題です。とりわけ民間企業にとって、利益を上げる営業職の充実は必要不可欠と言っても過言ではありません。しかしライフスタイルの変化に伴い、かつて「花形」と称された面影はなくなり、不人気の配属先となってしまいました。近頃では、新入社員が3日と経たず辞めてしまう、営業職に部署移動した途端に退職してしまったなどと言う話は珍しくありません。
このような風潮の中、限られた人材をうまく活用し利益を上げることは、過去よりもハードルの高い企業の命題となってきました。叫ばれる労働環境の改善、先の不確かなこのご時世に利益を上げなければならない事、様々な要因から業務の一部を外部委託することで解決する流れができ始めました。特にテレアポ業務を代行会社に委託することで、営業職の人手不足の解消、作業効率の改善を行う企業が増えています。
業務委託を検討し始めた企業の中には、営業職から切り離してもいいが、外注するほどの業務だろうかと疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。結論から述べると、自社でテレアポ専属の人間を雇用するよりも、代行会社に業務委託をした方が断然良いです。何故ここまで言い切るのか、その理由はテレアポを自社で行った際のデメリットにあります。このデメリットを知らないまま突き進んでしまうと、成果は得られず問題は何も改善できなかったと言う残念な結果に終わってしまうでしょう。
この記事では、テレアポ業務を自社で行うか、外部に委託するのか検討をしている企業の方に、ぜひ知っておいて欲しいポイントを紹介していきます。
テレアポを自社で行うデメリット1:テレアポの人材を集めるのは至難の技
まず、労働力の確保が難しいという点です。営業職をしたことがない方や、配属されて間もない方は、「テレアポ業務=アポイントが獲得できれば良い」と捉えられているかもしれません。業務内容を端的に表している一言ですが、実際は「商談に繋がるアポイント」と隠された部分があるのです。
そもそも、アポイントには種類があり①挨拶、名刺交換だけのアポイント②話を聞くだけでいいからとお願いして相手企業から時間を貰ったアポイント③商品概要を伝えた上で、相手企業から詳細を聞きたいと願われたアポイント④商品概要の説明と資料を渡した上で、相手企業から詳細を聞きたいと願われたアポイントと区別することができます。このように言語化すると、①②と③④の間には相手企業の関心と言う点において明確な差があることが分かります。企業の営業職は自社商品の成約数を増やし利益を上げる事を求められているので、必要なアポイントは商談に繋がる③④なのです。①②も場合によって商談に発展するケースはありますが、関心のない相手に興味を持ってもらう事から始まるので、倍の時間がかかってしまいます。
このようにテレアポ次第では、初回にして商談に至る場合もあれば、ご挨拶だけで終わってしまう可能性すらあるのです。そのため重要性を知っている大抵の営業職が、テレアポ業務を苦手だと認識しています。ノルマを課す企業も多く、苦痛を覚え退職してしまうのも無理はないことかもしれません。
自分の生活を大切にしたい、家族との時間を大切にしたい、そう言ったライフスタイルが浸透してきた今、大変で辛いイメージの営業職はそもそも嫌厭されています。確実な成果が求められるテレアポ業務では、その傾向は顕著です。その為、テレアポ専属の人材を自社で正規雇用しようとすると、そもそも求人が集まりません。世の流れではありますが、誰も自ら苦行に身を投じたいとは思わないのです。
テレアポを自社で行うデメリット2:未経験人材の退職リスクが高い
運よくテレアポ専属の人員を正規雇用できた、ないしは他部署から人材を引っ張ってきた場合、次に問題になるのが離職です。過去に営業職の経験があればいざ知らず、営業職未経験の人材を起用した場合、離職率は跳ね上がります。
筆者が過去に働いていた企業は、専門技術を持っていようと配置変更がありましたが、入社と同時に希望部署に配属された同期は常々営業部に人事異動が出たら転職すると豪語していました。実際に営業部への移動の話をされて、辞めてしまった後輩もいます。営業部で働いていた筆者からすると、他部署と違い成長が数字としてわかる、会社の全体的な流れを把握できる点は面白いと感じており、彼らはもったいない事をしているなと思っていました。しかしそれは、業務に触れ成果を出したことがある人間にしか分からない事だったのです。営業職未経験者は筆者の同期の様に、業務内容に対しマイナスイメージしか持っていません。つまりやる気も低いのです。その結果、成果を出して営業職の面白さを理解するどころか、その前にノルマや雑務の多さに辟易して挫折してしまうのです。
しかし営業職はやっぱり無理でしたと直訴しても、そう簡単に人事異動させてくれるわけではありません。そもそもテレアポ専属で雇用された人材は、移動先がありません。彼らは違う業務を行いたいと思うあまり、転職と言う結論に自然と辿り着いてしまうのです。
テレアポを自社で行うデメリット3:経験者でも一人で稼働させるとメンタルリスクで退職する
では、営業職経験者に任せればいいのでは?そう思われるかもしれませんが、これは大きなリスクを伴います。想像してみてください、それまで営業職がそれぞれ担当していたノルマを1人で行うのです。架電しても終わらないターゲットリスト、ノルマを達成できなかった場合の上司からの評価、商談に繋がらないアポイントを獲得してしまった際の同僚の反応と、負の感情が蓄積され疑心暗鬼になってしまうでしょう。
またいくら経験者とは言え、何度もアポイントを断られてしまうと凹みます。このような状態が続いてしまうと、営業を断られているのに、いつの間にか自分が否定されているような錯覚を起こしてしまい、メンタルヘルスを著しく損なってしまいます。その結果、会社に出勤できなくなり、退職してしまうケースが後を絶ちません。
鋼のメンタルを誇る人でも、退職のリスクは十分あります。彼らの場合は、何故自分がこのような業務ばかりしないといけないのかと、うっ憤を蓄積してしまう傾向にあります。そしてより自分が輝ける職場を求め、転職するケースが多いです。営業職経験者は引く手あまたですから、当然の流れと言えますね。
テレアポを自社で行うデメリット4:テレアポに特化した人材がいないとそもそもアポが取れない
さて、前述でデメリットを3つ紹介してきましたが、大前提となるポイントが抜けていると全てをクリアしても軌道に乗せることは難しいです。テレアポ業務を自社で行うにあたり、必要不可欠なのがテレアポに精通した人材の有無です。
自社の営業職にテレアポで必要なスキルは?と質問すると、高いトークスキル、架電相手との相性、業界への理解など様々な答えが返ってくるでしょう。どれも必要なスキルですが、それら全てを網羅し活用できている人物は在籍していますか?イエスと回答できる企業は少ないでしょう。何故ならば、テレアポに精通した人材が在籍していれば、その人のノウハウを周囲と共有することで、ノルマ未達成や業務効率の改善と言った問題は回避できている筈だからです。
つまり逆を返せば、現在これらの問題に直面している企業は、テレアポに精通した人材がいないという事です。にもかかわらず、テレアポ業務に専念してしまうと、最適ではない業務フローで稼働してしまう事になり、成果が得にくくなってしまいます。また既存のやり方では、飛躍的にアポイント獲得率を伸ばすことはできないでしょう。万が一にも間違ったテレアポを続けてしまった場合、あずかり知らぬところで企業イメージを悪くしてしまう可能性もあります。
テレアポを自社で行うデメリット5:優良なリストを取得するのに断続的に費用がかかる
テレアポを行うにあたり、必要になる物のひとつがターゲットリストです。継続契約であれば自社で保有しているリストで間に合いますが、新規顧客の開拓をする場合は新しく作成する必要があります。
BB営業の場合、インターネットや企業名鑑で調べれば自社で制作することも可能ですが、BC営業のターゲットリスト作りは困難を極めます。プライバシーの保護が企業の義務になった昨今、住所に次ぐ個人情報である電話番号やメールアドレスを取得する方法は限られています。例えば、ネットで資料請求やサンプル請求、アンケートに答えてもらう事が代表的ですが、これらは興味がある少数の人しか集客できません。ではどうするのかと言うと、ターゲットリストを販売している業者から購入するしかないのです。
しかも情報は日々更新されていく為、継続的に最新のリストを購入し続けなければなりません。情報の価値が高い分、金額も決して安くないので、定期的に購入するとなると経費がかさんでしまいます。
テレアポを外注にまかせると全ての手間が改善されるので事業の切り分けができる
ここまで、自社内でテレアポ業務を行う際のデメリットを5つ紹介してきました。どれもダメージが大きく、特に人材不足を改善したいと願う企業にとっては、悪化するだけでしかありません。
しかし、テレアポ業務を外部委託することで、これらすべてのデメリットを払拭することができます。業務そのものをテレアポ代行会社に委託してしまうので、自社内で抱えるよりもトラブルが起きる可能性がぐっと減ります。その結果、営業職は商談の準備に専念することができ、売り上げアップに繋がるのです。
それではここから先で、テレアポ代行会社に業務委託を行った場合、具体的にどのようなメリットを得られるのか紹介していきます。
テレアポ代行へ外注するメリット1:リストやスクリプトまで丸投げできる
多くのテレアポ代行会社が、独自のターゲットリストやトークスクリプトを保有しています。代行会社であらかじめ用意されている物を活用することで、企業側が作成·購入する手間暇と経費が無くなります。またそれらは、各テレアポ代行会社の実績に基づいて作成されているため、企業が独自に作るよりも効果的な内容になっています。費用対効果を追求するのであれば、これ以上ない条件と言えるでしょう。
ターゲットリストやトークスクリプトを保有していない代行会社もありますが、委託した企業に最適な物を作成するサービスを提供しているなど、特色を持たせていている会社が増えてきました。よりニーズに合った代行会社を選ぶことで、高い成果を期待することができます。
テレアポ代行へ外注するメリット2:商談のフェーズに集中できる
テレアポ業務を外部に切り離すことで、営業職は商談に集中することができるようになります。商談に集中することは非常に重要な事です。何故ならばここで準備をすればするほど、成約率を上げることができるからです。
プレゼン資料を作るにしても、提案する企業に合わせたデータを追加できれば、より魅力的な提案になります。資料作成以外にも、提案先の企業情報を調べる、提案理由や導入した場合のメリット·デメリットを考えておくなど、下準備することは沢山あります。いざ商談が進んだ場合、相手企業からカスタマイズや値段交渉をされる可能性もあります。その場合、自社に持ち帰り関係部署と調整を行う必要が出てきます。こちらも調整不足で競合に競り負けないよう、手を抜くわけにはいきません。
また下準備と調整を先んじて行っておくことで、1度のアポイントで濃厚な商談を行う事ができます。その結果、成約率のアップのみならず、商談にかかる時間を減らすこともできるのです。
テレアポ代行へ外注するメリット3:プロの意見を参考に最適な取り組みを相談できる
最後に、プロからノウハウを学ぶことができる点です。テレアポに特化したサービスを展開し実績を積み重ねている為、代行会社はテレアポのプロ、専門家と呼ぶにふさわしい存在です。彼らに業務を委託することで、使用されているトークスクリプト·ターゲットリストを開示·提供してもらう事が可能になります。プロが実際に使用し成果を上げているノウハウの結晶は、それまで自社で行ってきたテレアポ業務を見直すお手本に最適でしょう。
また、昨今のテレアポ代行会社の増加に伴い、成果にもとづいた充実したフィードバック並びに営業戦略を提案することを売りにした代行会社も出てきています。コンサル的なサービスも提供している会社であれば、テレアポのノウハウだけでなく営業全体の質を高めることが可能です。業務の質が向上すれば、優先順位の確立や、無駄な作業を無くすことができ、営業職の労働改善にも繋がっていきます。
まとめ
テレアポ業務は外部委託せずとも、自社内で行う事ができます。しかし適切な土壌がなければ、目標とする成果を出すまでに時間がかかってしまうでしょう。ノウハウの確立ができる前に、人材の流出、想定以上の経費が発生すると言った危険性もあります。
その点、テレアポ代行会社に業務委託をしてしまえば、自社への負担は最小限に大きな成果を得ることが可能です。またプロの使用するトークスクリプト等のノウハウを上手に導入することができれば、労せずしてテレアポのノウハウを獲得することもできます。
その為、テレアポ業務の外注を検討している企業は、まず自社で行った際のデメリットを知る事をおススメします。その上で、自社で稼働できるのか、外部委託した方が良いのか結論を出しましょう。