テレアポはどんな目的で行うものか徹底公開!
まずはテレアポの業務内容を確認しよう
インターネット、SNSによる集客方法が確立した昨今において、再び注目され始めているテレアポ。とりわけ新規顧客の開拓に最適な営業ツールとして、力を入れる企業が増えてきました。しかし、ただ電話をしてアポイントを獲得するものと認識してしまったがために、想定より成果が得られないなど失敗に終わるケースが後を絶ちません。では、成果を得る為にはどうすればよいのか?より良い結果を出す為には、テレアポの内容を理解する事が重要です。
まず、テレアポとはテレフォンアポインターの略称です。仕事内容は、ターゲットリストをもとに架電をして、アポイントを獲得していく事です。ターゲットリストは個人から企業まで幅広く、基本的には見ず知らずの人に架電をします。
一見簡単そうに見えるため、面識のない相手に電話すると言っても、特別な資格が必要な訳でもなく、ただアポイントが獲得できれば良いだろうと考えている方がいらっしゃるかもしれません。しかしここで求められているアポイントとは、文字通りのアポイントではありません。またそんなに簡単にアポイントが獲得できるのであれば、ノルマを達成できない現場の営業職は存在しない筈です。
実際テレアポに求められるアポイントとは何なのか?それを理解するためには、アポイントに4つの種類があることを知る必要があります。アポイントには大きく分けて①挨拶、名刺交換だけでもとお願いをして時間を取ってもらったもの②説明を聞くだけでもとお願いして時間を取ってもらったもの③商品について説明をした上で、相手企業から詳細の説明をと時間を貰ったもの④商品の説明と資料を渡した上で、相手企業から詳細の打ち合わせをと時間を貰ったものがあります。この様に文字にすると、同じアポイントでも①②と③④の間には大きな差があることが分かります。
営業職の目標は成約数を増やし売上を伸ばす事なので、求められるアポイントは自ずと③④になります。つまりテレアポの業務内容とは、商談、ひいては成約につながる角度の高いアポイントの獲得を目的に、ターゲットリストに基づいて架電を行う事なのです。
テレアポを行う様々な目的
では何故企業は営業ツールとしてテレアポを選ぶのでしょうか?と言うのも、現在はインターネット、SNSと言ったネット上での集客方法が確立されています。オペレーターなど多くの労働力を必要とせず、不特定多数にアプローチできるこれらの手法は、費用対効果を求める企業にとってこの上なく理想的な集客方法です。その為、一時はテレアポを前時代的だとみなす風潮さえ巻き起こりました。しかし近頃では、またテレアポが一躍注目を集め始めているのです。
それはひとえに、ネット上とテレアポでは対応できる目的が異なるからに他なりません。ここからは、企業があえてテレアポを行う目的を紹介していきます。
テレアポを行う目的①:商品やサービスに興味のある企業を開拓する
1つ目の目的は、興味を持ってもらえる企業を開拓できるというものです。これはネット上でも同じだろうと思うかもしれませんが、中小の企業にとって能動的と受動的では大きな差が出てきます。
そもそもインターネットでキーワード検索をした場合、最初に表示される記事は大手企業の情報や良く閲覧されている情報です。その為、中小企業の情報は中々上位のページに表示されない場合があります。一般的に検索を行った場合、5ページも見ればよい方ではないでしょうか?つまり、数万件の検索結果のうちほんの僅かしか検索者の目には触れていないのです。これでは、余程検索キーワードが細かく入力されていない限り、上位ページに表示されない中小企業の情報は、ほぼ閲覧されていないと言っても過言ではありません。
これに対して、テレアポは企業側から商品の利用・購入を勧めるべく架電を行います。その為、極端な例ではありますがホームページを作成していない企業であっても、自社の商品に興味を持つ企業に対してアプローチを行う事が可能です。ここで興味を持つ企業はどうやって選ぶのか?と疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。こちらは各企業が商品に縁のある企業リストを自社で調べてリスト化することもあれば、専門の業者からターゲットリスト自体を購入することもあります。前者は自社の営業職に負担がかかりますが、費用は安く的外れではないターゲットリストを作ることができ、後者は手間暇こそかかりませんが、個人情報は価値が高い為継続的に費用が発生すると言うメリットとデメリットが存在します。
いつ目に触れるか分からないインターネットでの検索を待つよりも、積極的に行動を行う事で興味のある企業を多数開拓することができるのです。
テレアポを行う目的②:見込となる企業の開拓
2つ目の目的は、前述のテレアポの内容でも触れましたが、商談ひいては成約につながる角度の高い企業を開拓することができる点です。
テレアポは実際に架電をし、ある程度電話口で説明をした上で、相手企業から時間を貰います。相手側の担当者も自分の業務がある為、全く関係も興味もない商品の話を聞くだけの時間を捻出することはありません。その為、よほど強引にアポイントを取らない限り、アポイントを獲得できた企業は自社商品やサービスへの興味があるとみなして良いでしょう。
角度の低いアポイントは違うのではと思われるかもしれませんが、名刺交換・挨拶だけと言った軽いアポイントでも、商談を重ねる事で成約につながるケースは往々にして存在します。実際に筆者も挨拶だけのアポイントから、成約に漕ぎつけたことがあります。ですが、数十回の提案でようやく商談に進んだケースもあれば、挨拶から1年経った頃にサービス導入に関して相談を受けることもありました。要するに角度の高いアポイントよりも、商談・成約に至るまでに時間がかかってしまうのです。
しかし、時間がかかったとしても成約につながる可能性はあります。テレアポを行う事は、自社の商品・サービスに興味があるかないかを見極める機会にもなり、目先の成約数アップだけではなく、中長期的に顧客に成り得る企業を開拓することもできるのです。
テレアポを行う目的③:テストマーケティングやリサーチを行う
こちらは先の2点と少々異なった目的になりますが、興味がある顧客を可視化すると言う点では同じという事ができるでしょう。まずテレアポを行う事によって、〇〇件架電をし、□□件のアポイントを獲得できた、と言った数値的なデータを獲得することが可能です。目的②でも述べた通り、アポイント獲得=自社の商品・サービスに興味がある顧客とみなすことができます。ですので、テレアポで得られた結果をもとに、性別、年齢層、どのくらいの人数がどの程度の興味を商品・サービスに対して示しているのか、細かく割り出すことができます。
インターネットやSNSでもテストマーケティングやリサーチを行うことは可能ですが、直に会話をするわけではない為、興味の度合いと言った温度感を感じ取ることはできません。また実際に誰が端末を操作しているのか不明な事や、事実とは異なる回答をされてしまう可能性も否めません。
この様にテレアポは直接会話をする事でより確実にデータを割り出すことができるため、新製品のテストマーケティングや既存商品のニーズのリサーチに適しているのです。
テレアポを行う目的④:インターネット集客とは違った層を獲得できる
4つ目はテレアポを語る上で、外す事のできない目的です。パソコン・スマートフォンの普及により一時期はネット上での集客が主流となり、テレアポは古臭い営業ツールとみなされる風潮がありました。しかし現在の日本においてすべての人がインターネットを活用できているかと問われると、必ずしもそうではありません。新型コロナウイルスのワクチン接種でも明らかになりましたが、むしろ活用できない年齢層が一定数存在しています。その為どれだけインターネットやSNSに広告を出稿しても、インターネットを活用できている年齢層で興味のある顧客しか集客ができない状況に陥っていました。
そのデメリットを解決するのがテレアポだったのです。テレアポはターゲットリストをもとに企業側から架電を行う為、インターネットに触れる触れない関係なくアプローチを行う事ができます。特にスマートフォンやパソコンに苦手意識を持っている高齢者の場合、固定電話を設置している家庭が多く、スマートフォンに架電するよりも取ってもらいやすい環境にあります。また直接会話することで、インターネットで広告に接触するがあと一歩踏み出せなかったと言った潜在顧客を掘り起こすこともできます。
この様にテレアポは、インターネットでの集客では接触ができなかった、あるいは興味を持つにとどまっていた層を取り込む事に長けています。その上、架電数に対するアポイント獲得数として評価ができるため、マスメディアなどへ広告出稿するよりも確実に費用対効果を実感することが可能です。
テレアポを行う目的⑤:月間でのアポイント件数を安定させることができる
最後の目的は、アポイントの獲得件数についてです。インターネット、SNSのみで集客を行った場合、自社の広告の出稿量のみならず他者の出稿量によっても、ユーザーとの接触機会が左右されます。また季節や時期によって左右される商品であれば、単月だけ前年比を大幅に上回り、その他の月は全く集客できないと言ったデメリットが出てくる事もこれらの集客方法に起こりがちな問題です。
その点、テレアポは企業側からアポイントを取りに行く方法なので、1か月に〇〇件のアポイントを獲得すると言った目標があれば、その件数に向けて稼働する事ができます。なので、単月の目標件数より成果が下回っていれば、追加で架電しアポイントを獲得する事が、成果が大幅に上回るような場合は一旦テレアポ業務をセーブし、商談に注力すると言うオペレーションの変更が可能です。月単位のアポイント獲得数が安定する事は、安心して日々の業務を行う事ができる環境に繋がるのです。
テレアポを行うことで年間の売上目標が達成しやすくなる
ここまでテレアポの内容と実施する5つの目的を紹介してきました。インターネットやSNSとは違う新しい客層を開拓でき、安定して成果を得る事ができるテレアポは、ネット環境の普及とそれを活用した集客方法が確立した現在でも、営業職の様々な目的をサポートする優秀なツールです。特に自分たちで顧客を獲得する事ができるため、売上目標を立てやすく達成に向け稼働できる点は、企業にとって重要なメリットとなっています。
例えば最近のSNSでは、何かのきっかけで突然商品やサービスがバズる事で、短期間で注文が増え在庫切れを起こしてしまうケースが発生しています。一見企業にとって好ましい様に見えますが、在庫切れは市場を混乱させる要因に成り得ます。また所詮一過性のものにすぎない為、ブームが過ぎた後に去っていく顧客を引き留める力が無ければ売り上げは元に戻ってしまいます。この様に瞬間的な集客数と売り上げに依存してしまうと、数字は乱高下し年間の売上目標の達成は厳しくなってしまうでしょう。さらには、次年度の売上目標の策定時に影響が出てくる可能性もあります。
テレアポはバズると言った瞬間的な爆発力は持っていませんが、目的⑤でも述べた通り安定して成果を上げる事ができます。その為、年間の売上目標に対してアポイント獲得数を設定するだけでなく、成果に応じて追加で架電をするなどオペレーションを変更し、目標達成に向け稼働する事が可能なのです。
また記事の初めに触れましたが、テレアポに求められているアポイントは、商談ひいては成約につながる角度の高いアポイントです。なので、アポイントの獲得数は売上に直結していると言っても過言ではありません。角度の低いアポイントであったとしても、自社商品に興味がある見込み客としてカウントする事ができる為、無駄足と切り捨てるのは早計です。中長期的な目で見れば、売上につながる可能性は十分あり得ます。
この様にテレアポは、安定して商談につながる成果を上げる事で、大幅に売上目標を下回ると言ったリスクを企業側の努力で回避することができ、それを積み重ねていく事が、年間の売上目標の達成に繋がっていくのです。
まとめ
テレアポは、商談ひいては成約につながる角度の高いアポイントを獲得する為に架電を行う業務です。
企業側からアプローチをかけるため、自社商品・サービスに興味がある企業やインターネットでは集客できなかった客層を開拓することが可能です。またインターネットとは違い、企業側でオペレーションを変更できるので、安定した成果を得ることもできます。
この為テレアポを適切に実践する事ができれば、新規顧客の開拓、年間の売上目標の達成と言った営業職に求められる様々な目的を果たす事ができるでしょう。